《真剣に調べた》ピアノが子供の脳の発達に効果的な優れた習い事である理由

まなび

今も昔も子供の習い事の定番といえば、ピアノです。
(最近はピアノ離れとも聞きますが、にしても)

ピアノが子供の発達に良い影響を与えるということは、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

私自身も3歳から成人するまでピアノを習っていましたが、10代の頃外国語の習得が他の人よりも速かったり(外国に住んでいたので、スペイン語、フランス語、英語等、多くの言語を学習しました)、なんとなく幼少期からピアノを続けていたことと関係があるのかな?と思っていました。

そんなこともあり、子供には是非ピアノを習わせたいと考えていましたので、改めて、幼少期からのピアノ学習のメリットについて調べてみました。

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ピアノが子供の知的発達に絶大な効果があることは脳科学で証明されている

楽器の練習は脳の様々な機能を発達させる

脳の80%は、遅くとも5歳頃までに完成すると言われています。

この期間に、脳の発達に影響を与える外部刺激の有無や内容が、その後の脳の働きにおいても非常に重要となってくるのです。

そして音楽の学習は、この時期の脳の構造に大きな変化を及ぼすことが、過去数十年間で世界中の科学者により行われた研究で証明されてきました。

海外の調査に目をやると、幼少期の音楽学習には主に以下のような効果があることが報告されています。

脳が活性化される

音楽を学ぶことにより、神経細胞の脳内ネットワークが活性化され、各部位間の連携が強化されるそうです。かの天才、アインシュタインは幼少期からバイオリンを習っており、脳は平均よりも小さめサイズだったそうですが、脳内ネットワークが非常に強固であったことがわかっています。

情報処理力が上がる

一連の動作をする上で必要となる情報と前後関係の理解等を、一時的に記憶し処理する機能であるワーキング・メモリー(作業記憶)が、楽器の演奏により強化されることが判明しています。

絶対音感が身につく

こちらも非常に想像しやすい効果ですが、幼少期の楽器演奏により、音の聞き分けや聴覚情報の処理能力が育つと言われています。

楽器の演奏をすることで、音やメロディの処理を担う聴覚野の神経細胞が増え、活性化されることが理由のようです。

わずかな音やリズムの違いを精緻に感じ取る能力は、絶対音感等、音楽的なスキルそのものの習得にも重要な役割を果たしますが、後で紹介する言語習得能力とも密接に関わっています。

手先が器用になる

楽器の演奏を通して、motor skills(運動機能)、特にfine motor skills(微細運動機能)と言われる、いわゆる「器用さ」が発達します。

運動機能は、脳、骨格、関節、神経系が連携して機能することにより発揮されるものですが、特に小さなものを巧みに扱い、反射神経を要する動作等は高い運動機能の行使を必要とします。

物事を多角的に捉えられるようになる

楽器の演奏を通して、cognitive flexibility(認知的柔軟性)と呼ばれる、複数の異なる概念を同時に考えたり、別の角度から捉えたりする能力が向上すると言われています。

集中力が上がる

こちらも直感的に想像しやすいですが、継続的な楽器の練習と通して、集中力を司る脳の構造・機能が発達すると言われています。

感情のコントロールができるようになる

こちらは少し意外かもしれませんが、楽器の練習や演奏を通して、感情やフラストレーションのコントロールを司る機能が向上し、困難な状況に冷静に対応する力や粘り強さを身につけることができると言われています。

数学の素養が身につく

こちらは更に意外な点ですが、音楽は数の概念や数学的な認知力を向上させることも指摘されています。音楽は、音色やリズム等、連続的で規則性のある要素で構成されています。楽器を演奏したり歌を歌う子供は、無意識のうちにそうした数学的要素を吸収しているそうです。

7歳児を対象に上記を検証したカリフォルニア大学アーバイン校のGordon Shaw教授は、「リズムを学ぶ子供は、同時に、比率、分数、比例等を学んでいる」と語っています。

抽象的な概念を理解できるようになる

数的認知とも少し近いのですが、幼児期に音楽の訓練を受けることによって、抽象的な概念を理解する力が養われると言われています。これは、自然科学や数学を学ぶ上での土台となる能力です。

このように、幼少期に楽器を学ぶことは、幅広い脳機能の発達に非常にポジティブな影響を与えることが証明されています。最近では、音楽と脳科学の関係性について掘り下げるneuromusicology(音楽認知学?)という学問分野も形成されているほどです。

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 中でもピアノほど全方位的に脳を刺激する楽器は少ない

幼少期に習う楽器の中でも、脳の発達に特に優れた効果を発揮すると言われているのは、ピアノです。

日本でも、武蔵野大学の澤口俊之教授が、脳科学の観点から幼少期のピアノ学習の重要性を指摘し、話題になりました。

日本ピアノ調律師協会主催の澤口先生の講演会は、ピアノ稽古を通じて形成される脳を指して「ピア脳」と名付けられていました。

ピアノのレッスンを続けることによって、脳の監督役でもある前頭前野が構造的に発達し、HQ(人間性知能)の長期的な発達につながります。また、脳梁(のうりょう)と呼ばれる部分が太くなり、左右の脳のバランスがよくなるんです。小脳も大きくなり、運動機能や知的機能、感情的機能までもアップします。さらに、海馬とよばれる部分が発達し、記憶力がアップするので、学力向上につながります。つまり、ピアノを習うことによって、脳機能をまんべんなく育て“地頭”をよくすることができ、スポーツや学力まで効果を及ぼすんです

https://www.mamatenna.jp/article/10659/

ピアノが楽器の中でも特に脳の発達に効果的なのは、両手を同時に使って違う指の動きをすることと、譜面を先読みして後追いしながら弾くこと等が理由のようです。ピアノほど全方位的に脳の発達を促す楽器はあまりないようですね。

東大家庭教師友の会による調査では、東大生の半数以上が幼少期にピアノを習っていたというアンケート結果も、よく知られています。

つまりピアノによって脳の構造が良い方に変わるのです。科学的に実証されているものの中で、ピアノほど良いものはありません(前述の澤口俊之教授)

http://www.piano.or.jp/report/04ess/livereport/docs/livereport150731.pdf

ピアノと言語習得能力には密接な関係がある

また、ピアノの稽古を続けると、言語学習能力にも著しい効果があると言われています。

メルボルン大学のGary E. McPherson教授によると、幼少期に音楽経験のある人は、そうでない人に比べ、以下の特徴があることが実験により示されました。

  • 単語のリストや短い言葉を覚える
  • 例外的なスペルの単語を正しく発音する
  • 文法の正誤判断をする
  • 複雑で長い文章を理解・記憶する

また、別の研究でも、7歳以前から音楽を学んだ経験のある人は、そうでない人に比べ、以下の特徴があることが判明しています。

  • 語彙力が豊富
  • 文法力が優れている
  • 言語性IQ(※)が高い

※言語性IQ:主に言語を使った思考力や表現力の知能指数

ピアノの稽古をすると、左右の脳を繋げる脳梁という神経束のうち、言語に関係する神経束(軸索)が5倍くらい太くなるという研究結果もあります。

北欧のフィンランドでは、全国民が平均3-5ヶ国語を話すと言われています。しかし、フィンランドの英語を含む外国語教育は、多くの場合9歳以降で開始され、決して早いとは言えません。

にも関わらず、ほぼ全ての人が複数の外国語を流暢に話せる背景には、フィンランドの伝統的な保育制度である「音楽プレイスクール Musiikkileikkikoulu」が関係していると考えられています。

「音楽プレイスクール Musiikkileikkikoulu」は、公的な学校制度とは別に0歳~6歳を対象とするプログラムで、教育保育サービスの一つとして一般的に普及しているそうです。

フィンランドは、経済協力開発機構(OECD)が実施する国際学習到達度調査(PISA)でも長年に渡りトップクラスの結果を出しており、その教育制度には常に注目されています。

長時間練習・継続しなくても効果は絶大

では、日々どれくらいの練習をどれくらいの期間続ければ、音楽学習の効果が発揮されるのか、気になるところだと思います。

この点についても、世界の脳科学者たちは様々な研究結果を示しているのですが、結論から言うと、1週間に1時間でも音楽の稽古を行えば、脳機能へのポジティブな影響を十分に受けられるようなのです。

また、幼児期の2~3年間続けるだけで、就学以降の学習能力に顕著な違いが見られることも報告されています。

音楽と脳の関係を長年調査する米ノースウェスタン大学のNina Kraus教授によると、幼児期に3年未満の音楽レッスンを経験した人は、大人になってからも、音楽レッスンによって受けた脳の構造変化を維持していることが明らかになりました。

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まとめ:幼少期のピアノ学習は取り組むことに大きな意味がある

このように、小さいときから音楽を学習することは、脳の発達に非常に良い影響を与えることが、世界中で証明されています。

特に、ピアノほど全方位的に脳を刺激する楽器は少ないようで、改めて習い事としてのピアノの良さに気付かされます。

作曲家のJohn Aschenbrenner氏が、ピアノを習う子供を支援するために運営しているウェブサイト、「Piano By Number」では、「ピアノを始める目的は、カーネギーホールの演奏者を育てるためではない。ピアノを一定期間続けるだけで、音楽教育の目的はすでに成功している」と書かれています。

他人の評価や曲の難易度等のスキルそのものではなく、ピアノを楽しんで学習することに、大きなメリットがあるのです。

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