《多角的に検討》子供のピアノは何歳で始めるのがベストなのか

まなび

幼少期にピアノを習うことが、とにかく脳の発達に良いということを、こちらの記事でご紹介しました。

ただ、一口に幼少期といっても、具体的には何歳からレッスンを始めれば良いのか、迷うところですよね。

これはピアノ関係者の間でも意見が割れているようですが、そもそも、「何歳までに始めるべきか」と「何歳から始められるか」という、大きく2つの観点で考える必要があります。

この記事では、ピアノを始めるの適した年齢について、世界中の様々な研究結果や経験談を参考に考えます。

ちなみに我が家では、この記事に書いたことを踏まえ、子供が3歳3か月から開始しました。

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何歳までに始めるべき?発達面での目安は6~7歳

幼少期のピアノ学習には、脳の発達において数多くのメリットがあるという調査結果が世界中で発表されています。

それらのメリットのうち、特にレッスンの開始年齢により効果が大きく左右されると指摘されているものがいくつかあり、そのほとんどは、「6~7歳まで」とされています。

そうしたメリットを得ることを期待するのであれば、効果が薄れる6~7歳までにピアノのレッスンを開始することが、一つの目安になるかもしれません。

絶対音感

一般的に、楽器の開始年齢により左右されると言われることの一つが、絶対音感です。

1998年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校が600人の音楽家に対して実施した調査では、4歳までに音楽レッスンを開始した人のうち、絶対音感が認められた人は40%に上りました。

一方、9歳以降でレッスンを開始した人の中では4%、12歳以降でレッスンを開始した人の中ではたったの3%だったそうです。

また、絶対音感が認められた人のほとんど全員は、6歳以前に音楽レッスンを開始していました。

このことから、絶対音感の側面においては、少なくとも4歳~6歳までにレッスンを開始することが有効そうだと言えます。

ただし上記の調査では、絶対音感を持つグループは、同じく絶対音感を持つ親戚がいる割合がその他のグループに比べ4倍多いことも判明しており、遺伝的要素も関係していると言えるかもしれません。

認知能力

2013年に北京師範大学が発表した調査結果によると、7歳以前にピアノを開始した人は、それ以降に開始した人よりも大脳皮質が分厚く、理解、判断、論理など、いわゆるIQとして測定し得る認知機能が高い傾向にあることが判明しました。

子供時代にピアノのレッスンを開始した19歳~21歳の人たちを対象としたこの実験では、7歳以前にレッスンを開始したグループでは、10代でレッスンを辞めても認知機能の高さが維持されることが判明しました。

言語能力

音楽教育が言語習得に非常に有効であるということは、別の記事でもご紹介しました。

特に、7歳以前から音楽を学んだ経験のある人は、そうでない人に比べ、以下の特徴があることが判明しています。

  • 語彙力が豊富
  • 文法力が優れている
  • 言語性IQ(※)が高い

※言語性IQ:主に言語を使った思考力や表現力の知能指数

リズム感

カナダの研究グループが科学誌に発表した調査結果でも、7歳までに音楽レッスンを開始した人は、7歳以降で音楽レッスンを始めた人よりも、いわゆる「リズム感」(感覚運動同期)が優れていることが分かっています。

この調査では、実験に参加した36人の楽器奏者を、7歳以前に音楽レッスンを開始したグループと、7歳以降に音楽レッスンを開始したグループに分け、視覚情報に合わせて指をタップする動きをさせました。すると、7歳以前に音楽レッスンを開始したグループの方が、よりタイミング良くタップが出来たそうです。

また、7歳以前のグループの方が、左右の大脳をつなぐ機能を果たす「脳梁(のうりょう)」が発達していることも判明しました。

何歳から始められる?ー子どもの状態チェックリスト

脳発達への影響の観点からは、遅くても6~7歳までにレッスンを開始することが理想的ということは分かりましたが、早ければ早いほど良いかというと、そうではないようです。

そもそも、ピアノは小さい子供から見ると巨大な楽器で、指や手が鍵盤にある程度届かないと弾けませんし、一定時間、椅子に自律的に座ることが出来なければ、レッスンも成り立たないでしょう。

「何歳から始められるか」という議論にも様々な意見があるようですが、レッスンの目的によってもその判断は異なります

というのも、多くの子供にとって幼少期から音楽を学ぶことのメリットは、「ピアノの技術」そのものではなく、知的発達面での効果だからです(もちろん、プロの音楽家を目指す場合は話は別です)

こちらの記事でも紹介しましたが、幼少期のピアノ学習は、スキルそのものより、取り組むことに大きな意味があるのです。

まだ技術の習得を目指す本格的なレッスンが出来なくても、ソルフェージュやリトミックも、脳に音楽的刺激を与える上では十分に効果があるようです。

そのため、レッスンの目的を「ピアノを通して音楽的刺激を与えたい段階」と「ピアノの技術そのものを訓練したい段階」に分けて、様々な専門家の意見を参考にポイントを整理しました。

ピアノを通して音楽的刺激を与えたい場合

音楽に興味がある(音に合わせて体を動かしたり歌を歌うなど)

ピアノの前に一人で座れる

ある程度の時間集中できる

先生の声がけやお話を聞く姿勢がある

周囲のものを勝手に触らない

ピアノの技術そのものを訓練したい場合

基本的な生活習慣が身についている(挨拶をする、トイレに行ける、等)

ピアノの前に終了時間まで一人で座っていられる(一般的には30分間)

ひらがな・カタカナが読める(ある程度楽譜を読めるように)

5~10くらいまでの数が数えられる

先生の説明を理解しその通りにしようとする

上記を踏まえると、開始年齢は早くても3歳頃と言えるでしょう。

まとめ:出来れば6歳までに子供に合ったタイミングで始めるのが良い

「何歳までに開始すべきか」と「何歳から開始できるか」の2つの観点から、ベストなピアノのレッスン開始年齢を見てきました。

絶対音感を始め、幼少期の音楽教育による脳発達への影響は、一定の年齢までに開始することで発揮されるものが多い一方、早ければ早いほど良い訳ではないことも分かります。

何より、子供自身が音楽に興味を持ち、ピアノの前に一定時間座って、先生と楽しい時間を過ごせることが大前提となるように思います。

このことから、6歳~7歳までの個々の子供に合ったタイミングで開始することが、一つの目安になると言えます。

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