最近よく書店に並んでいる、「年収が増えれば増えるほど、幸せになれますか?: お金と幸せの話 」(前野 隆司著)を読みました。
お金で得られる幸せはたかが知れていると頭ではわかっていても、気がつけばお金を指標とした競争に夢中になり、疲弊している自分に気がつきます。
「バリバリ」働いて収入が目に見えて増えると、その時々は達成感や高揚感がありますが、すぐに「もっともっと」になるんですよね。それで、実際の収入は増えているはずなのに、欠乏感は払拭されないどころか、ますます肥大化し、日々の自分を奮い立たせるモチベーションとなって支配します。
私を含む多くの人が、お金がたくさん手に入れば、きっと今より楽になる、気分が良くなる、幸せになるって何となく期待して、今日も果てしない競争の中に身を置いています。
でも正直苦しくて、出来ることなら降りたくて、心の中で「年収が増えれば増えるほど幸せになれるのか」の答えを探している人は多いんだろうなと思います。
そんな大衆の心にぐさっと刺さるタイトルの本書は、「幸福学」の観点から、海外の研究結果や著者の見聞きした事例を通して「お金」と「幸せ」の関係を紐解き、人間はお金が増えてもさほど幸せにはなれないことを教えてくれています。
<ダイジェスト>
- お金で得られる幸福感は意外とすぐに頭打ちになる(年収約600万円辺りから「幸福度」の上昇は鈍化することは証明されている)
- 他人との比較によって満足が得られる財(「地位財」=お金、地位等)と他人との比較とは無関係の財(「非地位」=健康、愛情等)では、後者による幸福感の方が長続きする
- 一番幸せな人は、誰かのためにお金や時間を使うことで充実感を得られている人(仕事の中身が充実している人など)